みやぎ


「あちゃい!!あちゃいよ、宮城くん!!」




私がそう足をプラプラとさせながら言うとリョータは俺のほうがあちぃよ馬鹿っと私の頭を小突いた(痛いよ、おい)今日という日は、なんとも快晴で夏休み真っ盛りという感じである。そんな中私達二人は、みんなより学習能力が少し優れていないため登校日でもないのに制服を着て学校へ向かって補習授業というものをうけなければならなかった。だが、こんな日に学校でのうのうと私達が勉強をするはずもなく、休憩時間のときに先生が居なくなった隙に抜け出してきたのだ(なんと悪い生徒なの!)そして今、私はリョータが運転する自転車の後ろに乗って信号を待っているというところだ。こんな日陰もない中にいると、日焼けするのは目に見えてるな・・・と軽く太陽を睨むと眩しくて目がシバシバした。私がパチパチと瞬きを何度かしていると信号は青に変わって、リョータが自転車を走らせた。



「あぁー!!リョータ、待って!!」


「あぁ?」


「そこのコンビニ行こっ!!」


「なっ、いきなり言うな!!」



私が言ったときにはすでに遅くて、コンビニをスルーっと通過してしまっていたためリョータはめんどくせぇなんて言いながら自転車を止めてUターンをした(アイスでも奢ってやろう。)コンビニの前に自転車を止めて、私達は鞄をカゴから引っ張り出しコンビニへと足を進めた。


「すっずしぃー。」


「うわぁ、やっぱコンビニってすげぇ。」


コンビニの自動ドアが開くと、中からこれはもう天国!というくらいの冷気が私達を包んだ(ここに後3時間はいたいくらい。)


「リョータ、アイス買ったげるよ。」


「うぉ!?まじ?」


「自転車乗せてくれたお礼?」


「ラッキー。」


そう言ってリョータは真っ先にアイスが置いてある場所へと向かった(遠慮というものを知れ。)私はリョータがアイスを選んでいる間にドリンクの方へと向かい500mのポカリを二つ引っ張り出した。ふと、私はポカリをカゴに入れたときに思い出した。今日ってリョータの誕生日なんじゃないか?と。いや、今更思い出してもどうしようもない・・・と私がどうするべきかと考えていると後ろからなんとも呑気な声で「〜」と私の名前を呼んでいるリョータがいたので、まぁ、いっかアイスで。と安いプレゼントで済ませることにしリョータのもとまで向かった。



「うわ、ガリガリとか君は新しいものに挑戦しようという試みがないの?」


「おまっ、ガリガリ君を馬鹿にするなっ。」


「しかも、ソーダ味って!私はリョータと違ってここは、コーラ味を選びますー。」



なんていうと、結局もガリガリじゃねぇーか!と再び小突かれた(だから、痛いって。)

ありがとーございましたぁ。と店員のやる気のない言葉に見送られて涼しいコンビニを出ると、もわっと地獄のような暖気が私らを包んだ。あぁー・・・もうやる気がでない。


「ここで、食っちゃおうぜぇー。」


とリョータが嬉しそうに袋を覗きながらゴミ箱の前に座り込んだ。私はその隣に座って、リョータから袋を受け取った後にポカリをリョータに差し出したらさんきゅと短くお礼を言われた。ガリガリ君の包装を二人で破ると、水色と茶色のなんとも涼しげなアイスバーが冷気をふわーと出していた(素晴らしいね。)サクっと齧ると口の中にコーラの味と冷たさが広がって、私はやっぱ夏はこれだな、とウキウキした。リョータは、うめぇ!やばいこれ。夏だ!なんてほとんど私の考えてることと同じことを言葉にしながら、水色のガリガリ君にがっついていた。



「やばい、溶ける!!」


なんて言いながら下のほうを舐めるリョータが妙にエロく見えて、


「リョータそれ、エロい。」


というと、うわっ、気持ちわりぃ。と言われた。ちょっとムカついたので、さっきのお返しとばかりにリョータの頭を小突いた。


「んだよー。」


と少しむすっと顔をしかめながらも、リョータは幸せそうにガリガリ君を食べ終えた。早いなー、なんて半分ちょっと残っている私のコーラ味のガリガリ君を見た。



「リョータ、これいる?」


私は持っていたガリガリ君をリョータの前に差し出した。



「うえ?いいの?」


「うん。」


「じゃー、いる。」


と、またもや遠慮を知らないリョータに私は少し苦笑いしてから、アイスを渡した。隣からサクサクといい音がなるので私はポカリを首に当てながらなんだか涼しい気分になった。




「リョータ、誕生日おめでとう。」














 夏の休息
   (はっ!?今ゆーかそれ?)(いいの!祝ってんだから、素直に喜べ!)



    080224


    07-31 HAPPY BIRTHDAY!! RYOTA.MIYAGI